JCE Japan Civil Engineering Contractors Association, Inc. 社団法人 日本土木工業協会
Topics 更新履歴 サイトマップ お問い合わせ
ホーム 協会概要 委員会活動 CE/建設業界 建設業データ集 リンク集 アーカイヴ
CE/建設業界
 
CE建設業界 2003年10月号 CE建設業界
 

<Contents>

 
インタビュー
座談会
意見・提言
日本の土木を歩く
金口木舌
建設の歴史散歩
研究余滴・野帳余白
フォトエッセイ
プロジェクト・ナウ
ダム風土記
今月の表紙
目次
   
対談 電子入札・電子納品は今
 効率的な公共事業執行に向けて
 -建設CALS/ECの普及促進が着々と進行中-
 
[出席者]
才木 潤Saiki Jun 国土交通省・大臣官房技術調査課課長補佐
寺川 陽Telakawa Akira (財)日本建設情報総合センター
CALS/EC部長
  松本 喬(Mastumoto Takashi) 土工協・CALS/EC特別委員会
CALS/EC部会長
  坂口修司(Sakaguchi Syuuji) 土工協・CALS/EC特別委員会
CALS/EC副部会長・現場情報標準化WGリーダー
  高橋昭二(Takahashi Syouji) 土工協・CALS/EC特別委員会
CALS/EC副部会長・電子調達WGリーダー

建設工事におけるCALS/ECの取り組みが着々と進展している。
国土交通省は平成十三年度から一部直轄工事において
電子入札と電子納品を実施してきたが、
電子入札については本年度から全直轄工事において本格導入されるとともに、
自治体や公団を含めた全公共発注機関に対して、
その普及促進に努めている。
また、工事完成図書の電子納品制度についても、
来年度から直轄工事において全面導入されることになっている。
そこで、電子入札と電子納品に焦点をあてて、現在の状況を踏まえ、
今後の課題と展望について話し合っていただいた。


電子入札で導入広がるコアシステム
電子入札の課題
コアシステム普及展開に向けての取り組み
電子入札が描く将来像
依然として多い資料の二重提出
早期の作成が望まれる電子納品のガイドライン
今後の課題となるCADデータの納品
情報共有は電子納品の理想形
二〇〇五年度からの次世代CALS/EC



松本 最初に、国土交通省におけるCALS/ECの取り組み状況について紹介していただけないでしょうか。

才木 潤
国土交通省技術調査課課長補佐
才木 国土交通省では、その前身である旧建設省時代に、技術審議官を会長とする「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)研究会」を立ち上げ、一九九五年から建設CALS/ECに関する調査・研究を始めました。翌九六年には「建設CALS整備基本構想」を策定し、当面二〇一〇年までに、二十一世紀の新しい公共事業執行システムを確立することを目的とし、短期、中期、長期の整備方針を定めています。現行のアクションプログラムは概ね中期までに該当し、二〇〇四年で終了しますので、二〇〇四年以降二〇一〇年までのアクションとして新規の計画を現在検討している段階です。

 公共工事におけるCALS/EC推進の意義は、情報通信技術(IT)を活用して各業務プロセスをまたぐ情報の共有・有効活用を図ることにより、公共事業の生産性向上やコスト縮減を実現することにあります。具体的には、計画、調査、設計、積算、施工、維持管理に至る一連の業務プロセスにおいて、一度作成した貴重な情報(データ)を各業務プロセスで共有できる環境、すなわち「情報の時間的共有」が可能な環境や、受発注者間のみならず、情報公開を通じた多岐にわたる関係者間での共有ができる環境、すなわち「情報の空間的共有」が可能な環境を実現することです。

 最近の具体的な取り組みとしては、インターネットを通じて入札を行う「電子入札」や、調査、設計、施工など各業務プロセスにおける最終成果品を電子データで納品する「電子納品」、多くの関係者が設計や施工に関する最新の情報を共有する「情報共有」などがあります。また、さまざまなCADソフト間における図面の交換を適切に行うためCADデータの交換標準の開発も行われており、「SXF」という形式で開発が進められています。

 それから、情報の共有・有効活用を実現するために必要な「建設情報の標準化」の取り組みも行われており、これについては「建設情報標準化委員会」等において、産官学のさまざまな関係者により活動が行われております。


電子入札で導入広がるコアシステム

松本 まず、電子入札について話題を進めていきたいと思うのですが、今年四月に電子入札が全面実施されてから、「入札情報サービス(PPI)」を見ても、たくさんの直轄工事で電子入札がなされているようです。一日平均どのくらいの数の電子入札が行われているのでしょうか。

才木 七月二十九日現在で、登録案件数が約九千三百件、開札件数が約六千二百件になります。七月に入ってからは一日当たり約百三十件程度の開札が行われており、順調に進んでいます。

松本 電子入札は、競争参加者の移動コストが縮減されるということだけでも大きな効果がありますけれども、本当の効果を上げるためには、地方公共団体など全ての公共発注機関が同一の入札システムを実施することが必要です。四月から稼働している「電子入札コアシステム」はその点を意識して開発されたそうですが、その開発の経緯を説明していただけませんか。

寺川 電子入札に限らず、CALS/ECを進める上で、標準化および異なったシステム間で必要なデータを自在にやりとりできる環境の整備、すなわち相互運用性(インターオペラビリティー)の確保は重要な課題です。これらが欠けると、CALS/ECの効果を十分に発揮できないのみならず、逆にかえって不効率とか混乱を招くことになります。

 電子入札に関して、多くの公共発注機関がシステムのコア(核)になる部分は共有しつつ、それぞれが独自に必要な機能をカスタマイズによって自由に追加できるようにしようという考え方に基づいて、コアシステムの開発が進められてきました。

 二〇〇一年七月、(財)日本建設情報総合センター(JACIC)と(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)が共同で「電子入札システム開発コンソーシアム」を立ち上げました。コンソーシアムは日本を代表するIT企業である開発ベンダー十一社、この趣旨に賛同いただいた企業や団体等の賛助会員、それから将来のコアシステムユーザー候補者である公共発注機関にも特別会員として参画していただいています。特別会員は順次数が増えてきており、いまでは百七十一の公共発注機関が特別会員となっています。

 コアシステムの開発は、定期的に開催される特別会員会議等を通じて、各公共発注機関から共通して要望のあるニーズを汲み上げ、開発ベンダー各社の技術力を結集して検討した仕様に基づいて行っています。JACICとSCOPEが共同で開発にあたり、それをいわば「割り勘」で各公共発注機関に使っていただこうという仕組みです。そういう意味では特定の開発ベンダーの技術に依存していない中立的な仕様になっているといえます。加えて、高いセキュリティーレベルを維持しているところも特色だと思っています。

 お話にありましたとおり、四月二十一日から稼働した国土交通省の新しい電子入札システムにこのコアシステムが採用されており、すでに二十を超える公共発注機関にも導入していただいています。

松本 平成十三年度から稼働していた今までのシステムとコアシステムの違い、あるいはコアシステムそのものの特徴はどんなところですか。

寺川 コアシステムのバージョン1がリリースされたのが昨年六月になります。十月にバージョン2、今年六月三十日にバージョン3、来年の六月をめどにバージョン4がリリースされる予定になっているのですが、どの時点で導入していただいてもバージョン4までの機能は追加的な費用負担なしに提供されることになっています。

 バージョン2の段階で複数認証局対応という機能が加わりました。それまで国土交通省で採用されていたシステムでは、「帝国データバンク」という一つの認証局を発注者、受注者双方の認証に使っていました。これに対し、バージョン2以降については、システムへの接続が確認され、電子署名法に基づく特定認証局の認定を受けた複数の認証局の中から提供価格やサービス水準等を比較検討して自由に選択できるようになりました。あわせて政府認証基盤(GPKI)の一環として、国土交通省認証局が開札を担当する職員の認証をする仕組みにも対応しました。

 六月にリリースされたバージョン3では、マルチプラットフォーム対応が売り物になっています。従来のシステムはUNIXのもとでしか稼働しなかったのですが、これからはWINDOWSやLINUXといったOSのもとでも稼働するようになりました。これによって、地方自治体等で比較的小規模なシステムを構築する場合、より安いコストでの構築が可能になりました。


電子入札の課題

松本 土工協では、受注者として電子入札を円滑に実施するため、CALS/EC特別委員会でさまざまな活動をしてきましたが、これまでの活動内容を紹介してください。

高橋昭二
土工協・CALS/EC副部会長
高橋 入札行為は、建設業にとって取り返しのつかない重要なテーマですので、最初に入札システムを開発したコンソーシアムの段階から土工協を挙げて参画させていただきました。画面構成などいろいろと意見を述べさせていただきましたが、かなりの部分でわれわれの意見を反映しながら今のシステムができていると思います。

 一方で、応札者側においても使い勝手を十分に周知徹底しておかないと、いろいろなトラブルの原因になります。そのため、折に触れて全国で講習会を開催してきました。

 導入後も実際の使い勝手について、国土交通省の技術調査課やJACICと意見交換会というかたちで改善提案をお願いしています。その提案内容が今回のバージョンアップにも反映されています。一つの例として、入札してから開札までの時間に画面が変わらないと、いつ変わるのだろうとイライラしながら待つ応札者が多かったのですが、今回は最新情報が自動的に更新される機能がつき、便利になりました。

松本 土工協会員会社の環境整備はどのような状況ですか。問題なく環境整備や接続工事ができているのでしょうか。

高橋 昨年十二月に会員会社における電子入札の対応状況をアンケート調査しました。まず、電子入札に対する環境整備の状況ですが、八七%の入札拠点で専用のパソコンが電子入札用に配備されており、十三%は他業務と併用しているという結果が出ています。基本的に電子入札でトラブルがあると取り返しがつかなくなることをよくご理解いただいていると思います。

 ただ、万が一のためバックアップのパソコンを用意しているかということになると少し数字が落ちて、七〇%で別のパソコンが準備されているようです。回線のバックアップや予備の認証用ICカードとなるとさらに少なくなり、両方とも三八%と同じ数字になっています。もう少しバックアップの重要性を考えていただきたいところです。

 回線の種類という設問では、五七%が社内LAN、二八%  がADSLという環境になっています。これから光ファイバーといったより速い回線が普及してきますので、非常に使いやすい環境になりつつあります。以前はISDNしかなかったものですから、いろいろと制約がありましたけれども、現状は楽になってきていると思います。

 トラブルの有無についても尋ねました。トラブルが多かったという回答が八%、順調に利用できたとどちらでもないが九二%という回答になっています。

松本 アンケート結果では、これまで電子入札を実施してきた中で明らかになった課題もあったと思いますが、いかがですか。

高橋 現状における最大の問題は、やはり技術資料、図面、競争参加資格確認申請書、コリンズデータの写し等入札時に電子化して添付提出するファイルの容量が一メガバイトに制限されていることだと思います。このため、七〇%がやむを得ずこれらを郵送もしくは持参することになり、電子入札のメリットを十分享受できていない結果となっています。コンソーシアムでシステムが開発された当初、ISDN回線で一メガバイトのデータを送信するのは非常に大変だということで、容量が制限されたわけですが、現状は社内LANやADSLからの接続が主流になっていることもあり、制限を緩和していただきたいと思っています。

 また、今後の課題になるのでしょうが、現在電子入札用として準備しているICカードを電子契約や電子申請まで適用が可能となるように発展させて、従来の社長印に代わる機能を一枚のICカードに持たせるようにしていただきたいと思っています。

才木 一メガバイトの容量制限につきましては、電子入札の試行が始まった当初から指摘されていた問題でもあり、現在制限の緩和に向けて地方整備局等の意見を参考にしながら検討を行っているところです。皆様のご要望に応えるべく、可能な限り容量の拡大を図りたいと考えております。

 また、ICカードについては、電子入札以外のシステムにも共通で使用可能となると、利便性が飛躍的に向上するため、今後さらに調整を行っていく必要があると考えています。


コアシステム普及展開に向けての取り組み

松本 電子入札の効果を上げる上で大きく期待されるのは、他省庁、公団、地方自治体への普及展開ということになると思いますが、コアシステムの普及状況は当初の期待どおりに進んでいるのでしょうか。

寺川 陽
JACIC・CALS/EC部長
寺川 コアシステムは昨年六月にバージョン1をリリースして以降、初年度で約二十の公共発注機関に導入していただきました。今後とも広く公共発注機関に共通の道具として使っていただいて、発注者側の重複投資防止および応札者の利便性確保という当初の目的を達成できればと考えています。

 コアシステムに対してしばしば耳にする意見の一つは、国がつくったものを地方に押し付けているのではないかというものです。これは決してそういうことはなく、多くの公共発注機関に共通する要望に基づいて核となる部分をコアとして提供する。そこに独自のニーズに応じて自由にカスタマイズできるという仕組みになっており、少し誤解されている面があるようです。

 二つめは、必要のない機能がたくさん付加されていて、結果的に割高になっているのではないかという声です。これについては、たしかに入札方式等は共通する範囲としながらも、自治体によっては採用していない入札方式等も含まれているかもしれません。しかし、それに伴う開発投資の増加はさほど大きなものでありません。各自治体に共通して必要とされる部分をコアシステムとして提供し、個別に必要な機能は自由に追加できるというものです。たとえば電子入札をきっかけに他の会計システムや予算管理システム、契約管理システムと連携を図ろうという場合、容易に連携が図れるようにデータの出入口が用意されています。もちろんそのために別途コストはかかるわけですが、共通する機能を「割り勘」で開発しようというのがコアシステムの趣旨です。

 三つめに、処理速度が遅いというご意見があります。たしかに昨年十月にリリースしたバージョン2では、まずは安全・確実なシステムの提供に重きを置いたこともあり、処理時間が長くなるという問題がありました。当初から順次機能を向上させていこうというポリシーもあり、バージョン3ではバージョン2と比べて、サーバーの処理時間で五〇%ほど縮まって、かなり早くなってきました。標準的な環境のもとで開札処理に入ってから開札結果の通知を返すまでの時間が、一件当たり七分程度というところです。

 あわせて、地方自治体等からは、国レベルで求められるようなセキュリティーはいらないので、その分速いほうがいいというニーズもかなり寄せられています。そういった声にお応えするため、十月にバージョン3・1という当初予定になかったバージョンをリリースするつもりです。これは地方自治体の選択によって、処理途中の署名検証のプロセスを省略できる機能を付したものです。これによって開札処理に要する時間は六分程度にまで短縮できる見込みです。最終的には一件当たり五分以内の実現を目標にして、今後ともさらなる改善の努力を続けることとしています。

 この他にもいくつかのご意見が寄せられていますけれども、これらに対して私どもは積極的に応えていく責任があります。国土交通省とも相談しながら、いろいろな機会を通じ地方自治体を含む公共発注機関の声にきちんと応えていくことによって、コアシステムを共通の道具として広く使っていただけるよう努めたいと思っています。

松本 現行のPPIに加えて来年度から「統合PPI」のサービスが開始され、全地方自治体の入札情報なども統合して扱われると伺っているのですが、入札システムが異なっていても問題はないのでしょうか。何か不都合な点はありませんか。

寺川 従来のPPIは、国土交通省の各地方整備局や工事事務所において、掲示板や閲覧等によって公表していた発注予定情報、入札公告および入札結果を、インターネットを介して一つのサイトから検索・入手できるというものです。統合PPIはいわばその発展形であり、他の公共発注機関等も含めて、希望する公共発注機関の公開情報として、ひとつの入口から検索・閲覧できる枠組みを提供しようという試みです。コアシステムを導入した機関に対して、公開する目次情報をつくるためのソフトウエアを無償で提供する仕組みを考えています。

 コアシステムを採用しない地方自治体でも、希望があれば統合PPIにリンクするのに必要な情報をつくるためのソフトウエアを提供していくつもりです。ただし、全ての地方自治体とおっしゃいましたけれども、あくまでも希望する地方自治体が対象ということになります。自らシステムを構築するよりは、統合PPIにリンクすることで極めて安いコストで情報を発信できるようになり、また情報の価値も高まってくると思いますので、たくさんの公共発注機関に参画していただくことを期待するところです。


電子入札が描く将来像

松本 応札者にとって、異なる電子入札システムが乱立したり、同じシステムでも運用方法がそれぞれ違っていたりすると非常に困った問題になると思いますので、引き続き改善をお願いすべきことはお願いしていきたいと考えております。

 それから、電子入札の普及展開が本格化すると、いろいろな問い合わせが殺到すると思うのですが、JACICではそれらへの対応はどのようになされているのでしょうか。また、今どんな質問が多いのでしょうか。

寺川 電子入札について、JACICには二つの顔があります。一つは国土交通省の電子入札システムの運用支援という立場と、もう一つはコアシステムを広く公共発注機関に共通の道具として使っていただくという立場です。ヘルプデスクの業務についても二つの役割があります。

 一つは、国土交通省の電子入札システムを使っている発注者、応札者から日々寄せられる質問に答えるということです。今年四月の全面導入を契機に、十五名の担当者が「電子入札施設管理センター(e―BISCセンター)」に常駐し、朝から晩まで電話等の質問に対応しています。

 ハードの使い方も含め、基本的な利用方法についての質問も数多く寄せられているようです。ヘルプデスクの各担当者は、目の前に同じシステムを置いて、お客様からの質問に対し自ら同じ画面を見ながら同じ条件のもとで操作しつつお答えをしています。これは今後地方自治体等に電子入札が導入された時も、円滑な普及のために同様の仕組みを整備していくことが望ましいと思います。

 もう一つは、コアシステムを提供しているという立場として、コアシステムを導入してカスタマイズする段階で生じてくる、いわゆる開発ベンダーからの質問があります。これに対してはJACICとSCOPEが共同してコアシステムのサポートセンターを立ち上げています。ここにはコアシステム開発に携わったエンジニアが常駐しており、自治体等の電子入札システム構築業務を行う会社からの、システムの内容についての専門的な質問にお答えしています。

松本 電子入札は受注者と発注者の契約事項についてネットワークを介して電子的に決めていく仕組みでしょうが、CALS/ECという観点から見た場合、電子入札はそれだけにとどまらず、もっと大きな可能性を秘めていると思います。そのあるべき姿や将来像などがありましたらお聞かせ下さい。

才木 今は電子入札システムが単独で稼動している状況ですが、資格審査や調達情報に関するシステム、また契約・財務関係のシステムなど、いろいろなシステム間において連携を図り、必要かつ有効なデータを共有・活用し、事務の効率化を実現していくことが、CALS/ECの観点から非常に重要です。さらには、蓄積される膨大なデータを利用する、例えば、少し話題がずれるかもしれませんが、道路の補修時期について過去のデータを分析することにより、事前に把握し対処するといった戦略的な業務への転換という可能性も秘めています。現状はそのような目標に向けて課題をひとつひとつクリアしている段階にあります。

寺川 CALS/ECは調査、設計、積算、契約、施工、維持・管理、リニューアルといった一連のプロセスにおいて、ITを用いて情報を共有、有効活用する仕組みであり、電子入札もそのプロセスのひとつにあたります。しかし、これはあくまでも入札・契約段階における情報のやり取りを電子化するきっかけだと思います。入札のプロセスのみの電子化でも、移動コストの削減等のメリットは期待できますが、あくまで効果のひとつです。

 電子入札システム導入をきっかけに、たとえば、契約や予算を管理するシステムや工事・業務の実績情報提供システム(TECRIS-CORINS)と電子入札システムをリンクしていくことも始まっています。また、入札時に設計図書等をダウンロードできる機能も検討されており、近い将来実現すると思います。そうなると、契約図書が電子化され、例えば、受注者が協力会社に資材等を発注する時にも電子データとして再利用ができるようになります。このようなところにまでCALS/ECの活用が広がって初めて、電子入札導入の本格的な効果が出てくるのだと思います。

高橋 電子納品したデータを電子入札システムに利用したり、電子入札システムで利用した技術資料等を再利用したりというような業務の改善・合理化を、将来的な課題になると思いますが、取り組んでいきたいと思っています。また、電子納品したデータや入札したデータを社内のデータベースに蓄積して再活用していくことも考えておかなければならない課題のひとつです。


 
   
ページTOPへ戻る
 
サイト内検索
WWW を検索 dokokyo.or.jp を検索
RSS
個人情報保護方針 著作権について
copyright