新入札・契約制度が次々と採用されているが、公共工事での請負代金の支払方法についても新たな仕組みの導入が検討されている。米国で一般的に採用されている「出来高部分払方式」の導入である。
現在の支払方式は、前金払と完成払の二回の支払いが中心で、必要に応じて中間前払、部分払が行われている。これに対して出来高部分払いは、工事の出来高に応じて発注者が代金を支払う方式。すでに国土交通省はいくつかの工事で試行している。
同省がこの方式を試行したのは、受発注者相互のコスト意識の向上、設計変更の円滑化、下請企業への工事代金の速やかな支払いが目的である。試行は平成十三年三月から始めており、同省はこのほど十四年度に試行した六三件のうち、十五年三月末までに完成した工事を対象に実施した調査結果を公表した.主な効果としては「設計変更協議を随時実施することによりリスク回避ができるようになった」「変更協議時や単価合意を行うことにより工種毎のコスト意識が向上したと感じる」「下請へ毎月現金で支払うようになった」「借入金の削減、資金計画が立てやすくなった」が指摘されている。
一方、課題として指摘も多い。部分払の頻度として「工種・工区の区切りがよい」が「三ヵ月に一回」を大きく上回り、現場関係者は工種・工区の区切りのときの支払いがよいとみている。出来高の算定が容易だからだという。
また、発注者側、請負者とも「単価合意は必要」としながらも、現在の体制では実施が困難とみる担当者が多い。前払金については四〇%程度必要とする意見が半数近くにのぼった。
さらに、「出来高確認資料の作成や確認の作業量が増加した」という意見が半数を超え、「変わらない」とする意見を大きく上回った。
今回の調査は、施工期間の短い工事が対象で、大規模工事の場合も同様の結果になるのかどうか予想がつかないが、この結果からは、出来高部分払には多くの効果が得られると言えるだろう。特に、建設業界から不満の多い設計変更についてはスムーズになり、リスク回避できたとか財務状況が改善されたという意見は軽視できない。
しかし、これで部分払制を積極的に推進できるかとなると、そうでもない。資料作成や確認の作業量をいかに減らすかである。近年の工事現場では発注者への提出資料が増え、その処理に追われて、技術者が現場に出られないとして、提出資料の削減を求めている。そうした中でさらに事務量の増える部分払制に対応できるのかどうか疑問だ。
また、着工時の資金繰りを円滑化するために四割程度の前払金は必要とする意見も多く、どの程度の前払金率を設定するかも問題だ。さらに監督と検査に関する会計法などの規制もある。
これらの課題が解決できるのであれば、効果が多いだけにこの制度を導入すべきだろう。
(角)
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