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黒部川第二発電所の上屋(通称猫又発電所)とダム(通称小屋平ダム)は山口文象がデザインした施設として有名である。なかでも建築界は、発電所の建物を重視している。 わたしどもの研究室では、文化庁記念物課から委託をうけ、近代遺跡としての発電所と発電ダムの詳細調査をおこなっている。そこでわかったのは、発電所の内部は意匠的・デザイン的にみるべきものはあまりないが、ダム施設はひじょうに多いことだ。 わたしどもの研究室では、文化庁記念物課から委託をうけ、近代遺跡としての発電所と発電ダムの詳細調査をおこなっている。そこでわかったのは、発電所の内部は意匠的・デザイン的にみるべきものはあまりないが、ダム施設はひじょうに多いことだ。 小屋平ダムは、水の流れや流雪なども考慮して堤体や沈砂池形状などが設計・デザインされている。地上にとび出ている湾曲したコンクリート壁は、沈砂池ゲートの昇降スペースであるなど、内部との関係が理解できてはじめてデザインの意味がわかるものもあった。設計で一番苦労したのが、ダムの洗掘防止の水叩き部にある。この問題を解決する狙いもあって、彼は渡欧している。山口文象と設計陣が本当に苦労し、力を入れたのは、発電所の上屋ではなく、ダム形状とデザインにあったことがわかる。 文 伊東 孝(いとう たかし) |
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